「永遠の0」は見ない

まず最初に断わっておきますが、映画「永遠の0」を見た方を非難するつもりは全くありません。

靖国神社参拝を抜き打ち的に強行し、憲法9条改悪を目論む安倍首相を「現代のヒーロー」と持ち上げ、安倍総理からNHKの経営委員に押し込まれた人物が原作を書いた映画を見に行く気がしないだけです。ロードショーに足を運ぶことは、その映画に1票を投票したようなものだと感じるのです。もちろん、将来的に、テレビやレンタルビデオで見ない、とは言いません。

もう一つ、「永遠の0」について感じる問題点は、何人かの人が、「特攻隊のような犠牲に上に戦後日本の平和が築かれた」と感想を書いていることです。特攻による死者は2万人強、ヒロシマ・ナガサキの原爆犠牲者20万人を含む日本人全体の戦争犠牲者数が200万人、さらにアジア全体での戦争犠牲者数が2000万人であることを考慮すると、特攻だけが美化されすぎていると感じます。

ぼくの父は、福岡県大牟田市で空襲に遭い、運悪く赤痢の真っ最中で防空壕に隠れることもままならず、不安な時間を過ごしました。父の兄二人のうち一人は中国で戦死、もう一人はテーラーとして満州にわたりましたが行方不明になりました。

特攻の物語が戦争に対する関心の入口になることは歓迎です。もっと深く、多様で大規模な戦争犠牲者がいたことをぜひ学んでほしいと思います。

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