癒しを超えて許し?

昨夜、NHKのニュース番組を見ていたら、「世界に一つだけの花」がオリコン年間チャートNo.1になったいうことだ。

気になったのは、オリコンの担当者がこの歌の歌詞について、人々が「癒しを超えて許しを求めている」とコメントしたことだった。自分が自分自身を許すという意味では正しいのだが、その発言だけを切り取ってしまうと、誰か別の人に許してもらうことに聞こえてしまう。

あの歌詞の中心は、自己肯定のメッセージだ。それは、よい点も悪い点もひっくるめて、自分自身を受け入れ愛しなさい、ということだ。人はいつも競争と他人の評価にさらされている。親の期待が重荷になっている人々は数多い。親の期待に添えない自分はダメ人間だと思い、存在が許せなくなってしまう。しかし、この人生を生きるのが自分である以上、主人公は自分自身なのだ。他の誰かのために生きているのではない。だから、他者の評価に惑わされず、自分自身を愛し、自分のためによりよい人生を生きよう、そう思うのだ。

ちなみに、童謡作家まどみちおの詩には自己肯定のメッセージがたくさん見られる。「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」は仏教的な世界観に支えられた、深い自己肯定と自己発見がテーマになっている。

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