この記事はTwitterの投稿に対するコメントとして書きましたが、その後投稿者ご本人とメッセージのやりとりをする中で私の誤解があったことが分かりました。私の拙速な対応をお詫びします。
今日、あるツイートを読んで、驚いた。ニューヨーク在住の日本人の方が書かれたものだ。
『米国人友人が被爆者たちに2時間にも及ぶ取材を行ったのだけど、被爆体験と共に質問されたこと。「日本は被爆国なのに、原子力発電所を58基ありますね。どうして作ったですか?」なぜ?』
日本に原子力発電所を作った責任が、まるで被爆者にあるかのような問いかけである。被爆者にそれを聞くのはあまりにも酷ではなかろうか。理由や論点はいくつもある。
- 原発政策を推進したのは日本政府、電力会社、関連企業であって、被爆者ではない。
- 被爆者は原爆症を抱えて病弱な人が多く、経済的にも、政治的にも弱者であった。
- 1979年のスリーマイル島事故まで、日本では一般に原子力の平和利用は安全と考えられていた。被爆者も同様。
- 国民一般で、保守対革新では保守が多かったように、被爆者も保守の人が多かった。
- 被爆者援護と核兵器廃絶の運動だけでもなかなか前進しないのに、それ以外の運動に取り組む余力はなかった。
- 日本人が原発立地を許してきたように、アメリカ人も許してきたのではないか。
- アメリカでは核実験で多くの深刻な被曝者を生み出してきたが、彼らが核兵器の生産や実験を止めることができたのか?
- つまり、最初の問いを発する資格が当のアメリカ人にあるのだろうか?