他の掲示板に書いた記事を修正して転載します。
大学入学で広島に来て以来、早25年。その間ほとんどの期間、何らかのかたちで平和の活動に関わってきました。一番長続きしているのは、1984年に被爆者である代表と一緒に設立した平和をテーマにしたボランティアガイド・通訳グループです。平和のためのヒロシマ通訳者グループ (Hiroshima Interpreters for Peace) といいます。今年で22周年になります。
広島にいて日々感じることは、被爆者の高齢化により被爆体験を証言してくださる方が減り続けていることです。知り合いの被爆者の方が入院するとか、老人ホームに入るとかいうことが日常的に起こります。
原爆の被害を知る人が一人でも多く増えることは、確実に核兵器廃絶への一歩となります。被爆者に被爆体験を語っていただくことが最も効果的ですが、それができなくなる時期が目の前に迫ってきています。
被爆体験をもたない被爆二世や三世、身内に被爆者のいない人々が被爆体験継承の担い手とならなければなりません。そんなことは不可能だと思いますか? いえ、不可能ではありません。米国でボランティアのホストファミリー宅で生活しながら小中・高校を回って、日本文化と被爆の実相を伝える活動をしてきた若者たちがいます。ネバー・アゲイン・キャンペーン(NAC)と呼ばれるプロジェクトです。彼らの活動は、被爆体験をもたない者でも、原爆被害を伝えることが可能だということを見事に証明しています。
このような事実に勇気を得ながら、被爆体験を伝えていく方法を模索していきたいと思っています。