Sing!

♪ シング 世界に人に歌ってほしい
平和と愛が大切だと
ピース のぞみは一つ 平和だけだよ
世界の国に友だちつくろう

Ah ラブ 愛の歌 空を超え届けたら
ピース 平和へのこの思い 伝わるさ

ラブ 愛は教える 歌う喜び
きらめく風に花びらまうよ

ピース みどりの山とかがやく海が
ふるさとなのさ ぼくらの地球

Ah ラブ 愛の歌 空をこえ届けたら
ピース 平和へのこの思い 伝わるさ

おいでよ 輪の中へ
今日から友だち 一緒だよ

おいでよ 輪の中へ
今日から友だち いつまでも ♪

…… これはピースチャイルドという平和をテーマにした国際キャストの子どもミュージカル「ピースチャイルド」で歌われた「シング!」という歌です。イギリス人の David Gordon という音楽家が書いた歌詞をぼくが日本語に訳したものです(歌詞の翻訳というのは限りなく創作に近い活動で、相当な意訳を行なっています)。ピースチャイルドは1980年代にイギリスで始まり、アメリカで成功を治めたプロジェクトです。広島では1989年から1995年にかけて計5回の制作公演が行われ、多くの子どもたちが国境を超えて強い友情で結ばれました。

ピースチャイルドのコンセプトは、子どもたちが大人になったとき、友だちのいる国とは戦争したくないと思うだろうから、戦争を止める力になるはず、というものです。外国で行われていたピースチャイルドのストーリーは、次のような出だしで始まります。

「2015年の『ピースデー』。子どもたちが集まって平和を祝うお祭りをしている。でも、いつ、どのようにして核兵器がなくなり、ピースデーが始まったんだろう? それはね、25年前のある日、一人の男の子が行動を始めたのがきっかけなんだ。では、その子は何をしたの? … こうして、舞台上の子どもたちは25年前の出来事を芝居によって再現する」

さて、その2015年ももう目前に迫っています。ぼくたちの世界は、当時より平和になったでしょうか? 核兵器は廃絶されましたか? 少なくとも当時より減りましたか? では、核兵器を持つ国は少なくなりましたか? 戦争で命を落とす人は減りましたか? 飢えに苦しむ人は減りましたか? 地球環境が守られるようになりましたか? 1990年当時、米ソ冷戦が終わり、ソ連の崩壊が目前に迫っている頃、核軍拡競争も終わり、核兵器もいずれなくなるだろうと思われていました。1990年代の混乱期にその期待は裏切られ、2000年代には核兵器を持つ国が逆に増え、テロとの戦いという名の戦争が始まり、続いています。

振り返って考えてみれば、ピースチャイルド広島というプロジェクトは終わってしまったものの、そのプロジェクトが果たした役割は今の時代にも期待されているのではないか、という気がしてなりません。

新年に向けて、自分の果たすべき役割というものを今一度問いなおしてみようと思います。

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