サロンシネマに映画を見に行った。タイトルは「あの日の指輪を待つ君へ」。第二次世界大戦で亡くなった恋人テディを50年間思い続ける女エセルと、その女を50年間思い続けた男ジャックの物語。
1991年、米国ミシガン州ブラナガンに暮らすエセル・アンの元に北アイルランドのベルファストから国際電話が入る。ジミーという少年が米軍爆撃機の墜落地点で彼女の名前の刻まれた指輪を発見したというのである。ここから、若き日のエセルと三人の青年たちの行動と思いを辿る旅が始まる。監督は「ガンジー」を撮ったリチャード・アッテンボロー、主演は圧倒的な存在感をもつシャーリー・マクレーン。
映像は過去と現在、ブラナガンとベルファストを行き来し、過去の出来事、登場人物の真実の気持ちを次第に明らかにしていく。そして、テディが死ぬ間際「エセルは自由に生きていい」と言い残したことを知り、50年間凍りついていたエセルの心が溶けていくのだ。
地味な映画だが、心に沁みる。最後のシーンでは目頭が熱くなった。ポケットからハンカチを取り出してしまった。