1月28日(日)、広島市現代美術館で開催されている特別展「種の起源:ロシアの現代美術 - 私たちは生き残ることができるのか」に行ってきました。
http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/web/main/special_exhidition.html
美術館の建つ比治山の上という場所は、いついっても心が穏やかになる場所です。なぜか分かりません。緑が多くて静かだからでしょうか。
たまたま、展示室に入った時、学芸員による解説ツアーが始まったところだったので、これはラッキーと輪の中に入りました。
「ロシアの現代美術」という視点は非常に面白かったと思います。これまでほとんど紹介されてきていないし、ぼく自身も全く見たことがありませんでした。
全体としては、残念ながら強く印象に残った作品があまりありません。というのも、いつかどこかで見たことのあるような表現方法が多かったためであ ろうと思われます。おそらく、ロシアではモダンアートが成立し始めた過渡期で、まだ海外作品の手法をまねたものが多いのでしょう。それでも、このような作 品の市場が生まれたこと自体、ロシア社会の変化を物語っているともいえます。
個人的に面白かったものをいくつか挙げます。良かったというのとちょっと違いますのであしからず。
まず、スタニスラフ・シュリバの作品。まるで、10年以上前のCGを手書きでまねたようです。地面にテクスチャーマッピングを施しているかのような描写がおかしかったと思います。
次に、ナターリア・ストルチコーワの作品。コンピュータで作成しているそうですが、現在のCGアニメーションのリアルさとはほど遠い、64色程度 の極彩色の色数と、アンチエイリアシングのないギザギザのままの線が特徴です。スーパーファミコンの画面に似ているかもしれません。
三番目に、リュドミーラ・ゴルローワの作品。「秘められた脅威」というシリーズですが、絵の描き方が、アメリカのロイ・リヒテンシュタインそっくりです。
最後に、ロスタン・タヴァシエフの作品。これは、額にキャンバスの代わりにぬいぐるみの素材を貼り付け、目、鼻、口、耳を取り付けたものです。文 句なしにカワイイです。笑っちゃいます。作品を書けてある壁にはラメがちりばめてありキラキラしているのですが、学芸員さんたちが一所懸命にニスと一緒に 塗りつけたものだそうです。学芸員の皆様、おつかれさまでした。
写真は、オレグ・クリークのインスタレーションです。