新自由主義の悪夢からの解放

オバマ新大統領の当選を祝いたい。やっと、レーガン政権発足以来28年続いた新自由主義経済政策(=経済無策)からアメリカが解放される時が来た。この間、様々な種類の複雑怪奇な金融商品が開発され、実体経済の裏付けをもたない資金が世界経済に深刻な影響を与えてきた。1992年のポンド危機、1997年のアジア通貨危機、そして2007年から続く世界金融危機のいずれもが、巨大化したヘッジファンドの活動によって引き起こされたものといってよい。グリーンスパン元FRB議長が謝罪したように、アメリカはヘッジファンドを初めとした金融企業の過剰な活動に規制を加えてこなかった。規制をなくし、法人税を引き下げることが経済全体にとって最善であるという新自由主義の信念によって、彼の国は導かれてきたのだ。

共和党の大統領候補であったマケインの経済政策も、新自由主義である。所得税、法人税を引き下げることによって経済を活性化させるというものだ。これに対し、オバマの経済政策は、中間層の所得税軽減と、財政出動による景気刺激である。明らかに、リベラルなケインジアン的政策である。

1980年代にマクロ経済学を学んだ者としては、不況の時期には一時的に財政赤字になっても公共事業に投資し、企業の売り上げと勤労者の給与を押し上げることで有効需要を創出する必要がある、というのが常識だった。クリントン大統領は、高所得者の所得税を引き上げ、中間層の所得税を引き下げることにより、有効需要を拡大し、結果長年にわたる好景気と財政黒字の両方を達成したのである。一部の金持ちを優遇するより、国民大半の懐が潤う方が、経済全体として消費支出が増えるのだ。オバマの経済政策の方が米国経済の立て直しに役立つことは明らかだろう。

そして、やっと金融経済の暴走に歯止めがかかるときが来た。巨大な博打経済が適切にコントロールされる日がやってくると期待される。世界経済はジェットコースターから路面電車に乗り換えることになり、多少は穏やかになるだろう。

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