朝日新聞の土曜版「be」。楽しみに読んでいる記事が3つある。
一つは「結婚未満」。結婚を希望している人を取材している記事。
今回は男性、37歳の僧侶。住職ではないので、様々な場所で活動している。東日本大震災後に遺体安置所で家族を捜す人々を見続けていたら「私も捜してもらいたい」と思ったという。さて、このお坊さん、記事には書いてないけれど、イケメンらしい。10代から20代半ばまでは年上の女性と何人も恋愛し、ホスピスでは同僚の看護師、教育関係者の女性などと関係をもった。人に多く会う仕事だし、結婚につながる縁もあるのではないか、と楽観的に考えている。
うーん、どうもね、モテる男性って(多分女性もだけど)いつでもチャンスがあるし、今の女性よりもっといい人が現れるのではないか、と考えて、結婚に踏み切れないのではないか、という気がする。
2個目は「はたらく気持ち」。
今回は、ヘッドハンターに声をかけられたことをきっかけに、そのヘッドハンティング会社に転職してしまったKさん、38歳、男性。様々な業界のトップクラスの人材と会えることが転職の動機。多くの出会いが自分を成長させると思ったのだという。彼が学んだポイント。
(1) 本当に優秀な人たちは、難しい内容も素人に短時間で分かりやすく伝える力を持っている
(2) 何か特別なことではなく、一般的な成功哲学を実践しているだけ
なるほど。
最後は「悩みのるつぼ」。
これは連載が始まったときからずっとた楽しみに読んでいるコラムだ。週替わりで人生経験豊富な回答者が読者の悩みに答えるというもの。今回の回答者は、一番好きな社会学者の上野千鶴子さん。
質問者は19歳の学生さん。「婚外恋愛」は「不倫」の遠回しな言い方で、ごまかしである。一つの関係を清算してから次にとりかかるのが、恋愛のみならず人間関係のルールではないか、という。
上野さんの答え。彼女は、結婚とは「たった1人の異性に排他的かつ独占的に自分の体を性的に使用する権利を生涯にわたって譲渡すること」と定義している。自分はそんな契約は守れそうもないので、一度も約束しないできた。そもそもセックスの相手をおクニに登録して契約を結ぶ必要なんてない。そうすれば「婚外恋愛」も「不倫」もなくなる。これが根本的な解決だ。
いつもながら切れ味の鋭い見事な答えである。ぼくの場合はまったく別の理由で事実婚にしているが、おクニに登録する必要などないという点は全く同感だ。そもそも戸籍という家族単位の登録制度は徴兵制を敷くために明治政府が作ったもので、この制度があるのは日本と、過去に日本の植民地だった地域と中国だけである。他の国は住民登録しかない。「入籍」という言葉がやたら流行っているけれど、結婚はしてもいいけど入籍はしたくないな、と自分は思う。あ、結婚(事実婚)してます、念のため。